(1)自然の恵みを最大限に取り入れる工夫がされていること。
碧の杜、川、海、水田、等々、 風の流れを制御し、
光や水をエネルギーに変え、
季節ごとに生活しやすい工夫をし、四季を楽しみながら、
受け継がれてきた伝統的な住まいの知恵がある。
そういう微気候デザインを取り込んだ
住環境作りがされてきた。
(2)ディテールがヒューマンスケールになっていること。
従来、身近なところで、調達可能な自然素材を使用してきた。
人体の寸法に近い建築部材と、
手で握れる大きさのディテールの組み合わせが、
居心地のよさを醸し出している。
(3)空間的、時間的な連続性があること。
たとえば、町家の面格子。
通りに面した面格子は、居住者のプライバシーを守りながら、
光と風を取り入れる工夫がされており、
時代を反映したディテールを加味され微妙に変化しながらも、
町全体の共通要素として連続した広がりをもつ。
そのことが、まちを歩くときにも安心感を与える。
(4)『私たちのまち』、としての意識を満たす「美」と「コミュニティ」があること。
維持管理が徹底されている。
地域コミュニティでの義務を負うが、
わが町としての愛着心を持つことが、
良好な維持管理を可能とする。
また、 地域の『拠り所』を持ち、
それを大切にする気持ちを、継承していく中で維持される。