路地広場 の つくりかた

ROJI-JI の 広場

E-1.ROJIまちづくり用語の解説

まちづくりに関係する用語を集めてみました。
解説文は、計画する際のROJI流の解釈によります。

・まちづくり
①市民生活の活性化を目的に、既存市街地の再構成を図る活動。商店街、高層ビル街、都市インフラ等事業規模は多岐にわたる。
・・・「街づくり」と表記されることが多い。  

②新規の住宅地開発において、良好な環境づくりを目標とする活動。①に対し、戸建て住宅地開発という狭義の意味合いが強い。
・・・「まちづくり」と表記。

当ページでは、主に②の場合を取り上げる。



・まちなみ
道路、家々、外構、などが連なるさま。
又はそれらが醸し出す雰囲気。



・公園と広場
公園:憩う、運動するという目的をもって出かけるところ。

広場:無目的、通りすがりの語らい、
楽しい時間つぶし。
何かしらあるかもしれない、という吸引力。




・露地と路地
露地:日本の伝統的茶道における演出の場。
自然な作法を尊重し、社会通念を規制する場。
野趣味的な場所。


路地:家と家との隙間、抜け道。
お隣との日常的な交流の場。

そこを歩くと、最初は近すぎる距離感に戸惑い緊張感に襲われるが、一旦自分の領域として受け入れ、他者との触れ合いを良しとすると特段の安心感が生れる。



・路地広場
都市生活の多様性を支える身近な 自然発生的生活の場。
自由な選択が可能で、一定の範疇の中であれば規定も束縛も
されない空間。
隣人との領域の重なりの中で、安心して子供を遊ばせることができ、高齢者も落ち着くことができる。

また、交通安全や防犯には大きな効果を上げる。
誰でもくつろぐことができるように、公共側だけでなく、住宅側からも木陰やベンチを提供しあう。



・コモンスペース
意図的に計画されたふれあいの場の仕掛け。
一定の共有敷地(又は、共用敷地)の中で、憩いの場を提供している。
木陰、モニュメント、ベンチや井戸水などのアイテムが効果的に人を呼び込む。



・ボンエルフ
人と車の共存できる道路。
遊び場を兼ねる空間が理想。
この道では、車両は歩行者に 遠慮して走らなければならない。



・クルドサック
行き止まり道路のこと。
宅地取り付け道路としてはネガティブなイメージ。
道路管理者の受けもよくない。

しかし、クルドサックを囲む住宅群の半プライベートな性格を持つ広場として、 もっと積極的に活用されてもよい手法だ。



・ハンプ
道路の一部を盛り上げて車両のスピードを 制御する仕掛け。

・イメージハンプ

ハンプは、車椅子での通行が困難且つ歩きにくいので、
路面をフラットにしたまま仕上げ材を変えることで、
交差点や、歩行者用道路の出口での視覚的注意を促す。



・歩道
安全な歩行者用道路として利用するため、車道と区分して設置した道。

・イメージ歩道

歩道を設置する余裕のない場合に、路側帯を利用して歩行者優先とするケース。
床仕上げ材を変えることで、より効果が 期待できる。



・緑道
歩行者専用道路、フットパスと同義的に使われる。
魅力的な緑道にするには、沿道宅地側の植栽計画がポイント。

但し、動線計画がいい加減だと、人の通らない死道になってしまい荒廃し、むしろ防犯所も危険。
夜間の防犯のため、照明計画にも配慮しておきたい。



・街路
いちばん身近な道路の割にはぞんざいな扱われ方が多い。
まちなみの効果的演出が必要とされる。

住宅地開発の場合は、通常幅員6m程度を指導されるが、
通過交通の無い短区間の場合は、もっと狭い ほうが住民の
緊密性を深める。



・無電柱化
電柱や電線は、まちの景観を悪くしているばかりか、運転席からの死角を作り危険。
また、樹木の生育を剪定で悪化させてしまいがち。

電線の地中埋設化が望ましいが、電力会社の拒否反応が非常に強く、工事費用もかかりすぎる。
地上機器の置き場も考慮が必要。



・まち角グリーン
交差点隅切り部分に植える樹木と草花のしつらえ。
まちに緑陰効果と防風効果をもたらす。
景観のアクセントにもなる。



・シンボルツリー
街路に面した各家ごとの樹木が、美しいアクセントと並木を作りだす。

公共の道路上の並木が、地方自治体の管理の仕方によって多くは枝を無残に切られてしまうのに対し、住民の共通意思により緑が地域の財産として活かされる。



・微気候デザイン
その土地固有の地形、自然風土に基づいた、伝統的住まい方の知恵を、現代の住環境づくりに活かしたもの。

樹木や水辺を活用し、夏涼しく冬は暖かな生活 を工夫するなどで過度な設備スペックを減らし、自然体の暮らし向きを可能にする。
ランドプランニング手法による計画で、より効果的に活かされる。



・お祭り
その土地固有の地形、自然風土や、地域文化から生まれた伝統的なお付き合いの知恵。
現代でも住まい環境のスムーズな持続性のある循環のために、欠かせない行事である。

かつては、天然の祀り磐や社寺を依り代として、田植えや収穫時期等の農作業の節目に豊穣を願い、また獲物の捕獲を天や大地に感謝する心根から生まれた。

その形態は多岐に渡るが、人々がそぞろ集い、晴れやかな気分を生み出し、居心地の良い居場所を提供する仕掛けは、広場の設計手法に通じるものがある。




・ランドプランニング手法
土地利用計画の際に、その土地固有の地形、自然風土、及び特徴ある景観を無理なく取り込みながら、道路や宅地などを作っていくこと。

マイナス要素の強い景観であっても、むしろその状態をありのままに活用し計画に落とし込むことで、より個性的な土地利用が可能になる場合が多い。

このように土地の特徴を自然体でとらえた結果、まちのアイデンティティが明確になり、まちの求心力が高まってくる。そのことで居心地の良いコミュニティの場を生み出すことが初めてできるようになる。
また、そうした結果、住人の自然な生活動線を尊重した計画とすることも可能になる。

現代の都市計画による人工的で直線ばかりの道路や区画割りは殺風景なまちなみになりがちであるが、それに比べ、自然な景観を再現でき、変化の中に親しみのある生活環境を生み出すことができる。



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